2022年7月12日火曜日

「ハナサクラクゴ」(7/14)

落語家の桂かい枝と桂吉弥、作家の米井敬人さんと石山悦子さんが共同で新作落語を作り、発表する落語会「ハナサクラクゴ」が714日に天満天神繫昌亭で開かれる。今回は「涙のリクエスト」をサブタイトルに、「泣ける」新作2本が披露される。初開催に向けて、6月6日に4人による発表会見が開かれた。

 


左から石山悦子さん、かい枝、吉弥、米井敬人さん 

かい枝と吉弥はともに1994年入門の同期。2人は20年ほど前に、構成作家の米井さんともう一人の作家との4人で新作落語の会「ビギナーズラック」を定期的に行っていた。米井さんは現在、構成作家として活躍。多くの落語番組にもかかわっている。「ビギナーズラック」から時を経て、今回の話が持ち上がった時に、米井さんはシナリオ学校時代の同期で、演芸作家として多数の漫才台本や落語台本などを手掛ける石山さんに声をかけ、この4人でのタッグが実現した。「今一度、あの時の興奮をーと言いますか。かい枝さんも、自分も落語を作るんですけど、作家さんとやって、どんなおもしろいことができるか楽しみにしています」と吉弥。かい枝は「一人の頭の中で考えられることって本当に限られている。いろんな人のアイデアを加えたりして広がっていくものです。今回はとにかく泣ける新作を作ろうと。照明や音響を使って、演劇に近いものになるかもしれません」と意気込む。

「ビギナーズラック」の頃は対面やファックスで原稿のやり取りをしていたが、今回はZoomやグループLINEを使って打ち合わせを行っている。気軽に意見交換ができ、互いの意見を入れながら、最後に一緒に再考するスタイルを取る。今回は石山さんがかい枝の噺を、米井さんが吉弥の噺を担当するが、それぞれの噺には4人の意見が盛り込まれる形だ。石山さんは「4人チームだからこそできる何か新しいことをやってみたい」と抱負を語った。

今回のテーマについて、かい枝は「笑う一辺倒ではなく、泣き笑いができるのが一番、お客さんの満足度が高いし、自分自身もやりたい」と語り、米井さんは「松竹新喜劇は最高やなという話になって。泣いて笑えては沁みるなと話し合い」、初回に「泣ける噺」を選んだという。今年5月に大阪松竹座で松竹新喜劇を観て号泣したという石山さんは今回、「松竹新喜劇には普遍のものがある。やっぱりいいな、これやなっていうか。自分の中にしみ込んでいる、泣いて笑ってっていうものを形にしてみたい」と構想を語った。

吉弥は「古典をやっている時と、自分が作ったり、誰かが作った新しい噺をする時は使っている脳みそが違う。それを両方やりたいなと思って。日々、脳みそのいろんなとこを使ってやった方が、いい落語ができるん違うかなと思うんです」と新作を演じることの意義を述べた。

当日は新作のほかに、かい枝と吉弥がそれぞれ古典を1席ずつ演じるほか、4人によるトークも行われる。この会を年内にもう1度、開催する予定だ。

 


 後列左から石山さん、米井さん

前列左からかい枝、吉弥

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「ハナサクラクゴ」

7/14() 開演=19:00

会場=天満天神繁昌亭

料金=前3000 当3500(全指)

   配信3000(オンライン繁昌亭番組一覧から選択)

問い合わせ=さかいひろこworks:06-6155-5561