上方落語屈指の大ネタ「百年目」。「憧れの『百年目』をやりたい」、「さまざまな男性を演じる力を身につけたい」という思いから、露の紫が企画し、天満天神繁昌亭で続けてきた研鑽落語会「とりどり男紫(danshi)」。毎回ゲストを招き、紫はその日のテーマに沿った多彩な男性が登場する落語を2席ずつ口演する形で、2021年6月から2023年11月までに9回開催。「試し酒」や「稽古屋」などこの会のために稽古をつけてもらったネタも含めて18席の噺を演じてきた。「お酒のネタはできへんやろなと思っていましたけど、『試し酒』は合っていたと思います。『アホ』も苦手やったんですけど、『とりどり男紫』をやっていくうちに、『アホ』の見せ方はちょっと習得したのかなというのがあります。うけ方が変わってきたというのもありますし、楽しくなってきました。自分に合うのはどれかに出会えたし、自分の中で線を越えて見せられるようになったと感じます」と言う。
元々、MCやリポーターの仕事をしていた紫は話術の勉強のために、天満天神繁昌亭で開かれていた「落語家入門講座」を受講。修了後に福井県小浜市で開催されている女性落語家のためのコンクール「ちりとてちん杯 ふくい女性落語大会」に挑み、「初代女王」となった。優勝翌月の2008年10月に露の都に入門。これまで繁昌亭の「輝き賞」などを受賞してきた。だが、入門10年の頃は、「女性が演じる落語」について悩んでいた。「当時は男も女もないって言いながら、意識していたのは自分で。とらわれ過ぎていたと思います」と語る。
そして5年。15周年の独演会で、「男強化」のために重ねてきた研鑽の集大成として、ついに念願の「百年目」に挑む。船場の商家を舞台にした「百年目」は大旦那から丁稚、幇間や芸者など多くの登場人物の演じ分けなど技量が求められ、人間国宝の桂米朝も「一番難しい噺」と位置付けていた。「『百年目』って憧れなんですよね、私にとって。時代がどんなに巡ろうが、こんな世界があるっていいなって。私は登場人物にそれぞれモデルを決めて演じています。大番頭は大泉洋さん、親旦さんは橋爪功さん。定吉は笑福亭呂翔くんにしました(笑) ほかに染八くんとか愛染くんとか。聞いていただいたら、そのモデルが浮かぶかもしれません(笑)」
当日、紫は「百年目」のほかにもう一席を演じる。「『とりどり男紫』をやって思ったのは、女の人をやるのが自然で楽しい(笑)。男性だけでなく、女の人もパワーアップしていますし、もう一席は女の人が出てくるお噺にしたいです」。そして、大阪公演のゲストは東西随一の華を持つ桂米団治、東京公演は「男はつらいよ」の浪曲化を行っている玉川太福が登場する。
「露の紫15周年独演会~とりどり紫~」
〈大阪公演〉
4/7(日) 開演=14:00
料金=前-一般3500 25歳以下(要証明書)2000(全指)
◆近鉄アート館(JR・メトロ「天王寺」、近鉄「大阪阿部野橋」,
あべのハルカス近鉄本店ウイング館8F)
https://kintetsuartkan.jp/map/index.html
●紫「百年目」他一席&祝儀舞/三実
ゲスト=米団治
☆物販があります!
問い合わせ=近鉄アート館:06-6622-8802
さかいひろこworks:06-6155-5561
<東京公演>
4/19(金) 開演=19:00
料金=前-一般3500 25歳以下(要証明書)2000
当-各500増
◆日暮里サニーホールコンサートサロン
(各線「日暮里」、アートホテル日暮里ラングウッド4F)
https://www.sunny-move.jp/sunny/download/pdf/04_06sunny_map.pdf
●紫「百年目」他/春風亭かけ橋
ゲスト=玉川太福 「男はつらいよ第17作・寅次郎夕焼け小焼け」
問い合わせ=さかいひろこworks:06-6155-5561