昨年、大阪と東京で初めて開催し、話題を呼んだ「小痴楽・三語のさる・ごりら落語会」。東京の人気の二ツ目、柳亭小痴楽と六代桂文枝門下の桂三語がタッグを組んだこの二人会が今年も大阪で開かれます。2年目を迎えたこの会とご自身のことについて、三語さんにお話を伺いました。
桂三語 1985年、兵庫県出身。2009年、六代桂文枝に入門
―昨年はトークの後にそれぞれが古典を2席ずつ演じました。
僕は大阪では古典の「手水廻し」と「天狗裁き」をやりました。渋いネタですけど、わかりやすい。この会に関しては聞きやすいネタをチョイスしようと思っています。小痴楽兄さんとは色が違いますし、終わった瞬間に「来年もやりたいな」と率直に思いました。
―今年はどんな風に?
去年と同様、前座なしで、着物姿の2人がトークをして、それぞれが落語を2席ずつ。最初、僕は兄さんに「挑戦したらいい」と思ってたんですけど、去年、僕が東京でやったネタが面白かったと兄さんが言ってくださって、その後の大阪の会に向かう新幹線の中でどうやったら勝てるかと考えていたと聞きました。嬉しかったです。
―対抗心あふれる二人会ということですね。ネタは決めていますか?
当日のお楽しみです。「どないなんねん」ってドキドキワクワク感があります(笑)。兄さんが何をやるのかわからないので。3つか4つ、準備していこうと思っています。
―小痴楽さんは古典派ですから、三語さんは新作をされるとか?
毎回思うんですけど…。最初、兄さんは、僕の師匠が六代桂文枝やから新作をやる人やとイメージしていたんですけど、「フタを開けたらバリバリ古典じゃん!」って(笑)。たぶん古典で行くと思います(笑)。
―今後、この会はどういう会にしていきたいですか?
「やり続けることが大事やな」と最近思ってて。浮き沈みはもちろんあると思いますけど、やり続けたら徐々にいい会になっていくという変な自信があります(笑)。小痴楽兄さんみたいな粋な感じは無理やと思いますが、この人にどうやったら対抗できるんやろうと考えながらやってる最中です。
―三語さんはこれからどういう方向を目指して行かれますか?
具体的なことはまだ考えられないんですけど…。去年から2か月に1度、「三語研鑽会」という自分の勉強会を始めたんですよ。毎回、1席くらいネタおろしをしようと考えてやっています。それをやって、やっぱりやり続けることって大事やなと感じてきたんです。こういう感じでやっていったらええねんな、とか自分のキャラをちょっと崩した方がやりやすいわとか。昔やって、全然やってないネタを久しぶりにやったら、あれ、思ってたより受けるわとか。「何でやろう?」と考えるようになりましたね。もう1回挑戦しようという気持ちでやったネタが、結構結果が出たり。そういうのが見えてきた段階ですね。つきあってくださるお客さんも本当にありがたいです。
―あと2年で入門10年ですね。何か企画されていますか?
10年たったら(天満天神)繁昌亭が借りれるんです。入門10年の(林家)染吉兄さんや(笑福亭)生寿兄さんが最近繁昌亭で独演会をやってはるのを見て、どんな風にやってはるのかなと気になります。僕も10年になったら繁昌亭で独演会をやりたいなと思っています。ネタですか? うちの師匠・文枝が作った「大阪レジスタンス」をやりたいと思っています!
―大ネタですね! 楽しみにしています。最後に会に向けて一言お願いします。
もちろん、ドキドキワクワクしますが、いつも通りで、一生懸命やるだけです。そして、楽しむことですね! ぜひ、いらしてください!
「小痴楽・三語のさる・ごりら落語会」
10/28(土) 開演=14:30
会場=中之島会館(地下鉄「肥後橋」,中之島フェスティバルタワー・ウエスト4F)
料金=前2500円 当3000円(全指)
問い合わせ=チケットよしもと:0570-550-100