噺家と作家がタッグを組んで新作落語を作り、初演する落語会「ハナサクラクゴ」の第3弾「実は実話のストーリー」が10月13日に天満天神繁昌亭で開催されます。
左から小堀裕之(2丁拳銃)、笑利、石山悦子、かい枝、米井敬人、吉弥
噺家の「ハナ」、作家の「サク」からネーミングした「ハナサクラクゴ」は落語家の桂かい枝と桂吉弥、作家の米井敬人、石山悦子がタッグを組んで2022年7月に初めて開催。初回は「涙のリクエスト」と題して「泣ける噺」を、2023年4月に開催された2回目は古典のスピンオフ作品が創作されました。3回目の今回は、月例でネタおろしの会を続け、独自の世界を切り拓いている笑福亭笑利と、落語の創作も行っているお笑いコンビ「2丁拳銃」の小堀裕之が新たに参加。小堀の発案で「実話」を基にした落語3席が演じられます。また当日、小堀は中入り後に、現在、多くの落語家が演じている自作の「ハンカチ」で高座に上がる予定です。
今回、小堀が「作家」として書いたのは、現在20歳の長男が中学3年生の時に大金が入った財布を拾ってきたことから起こる家族の騒動を描いた落語で、笑利が演じます。笑利は「落語を書こうと思ってくださる作家さんは貴重な存在で、いい企画と思っていました。まさか自分が入れていただけるとは。作家さんが書いて、落語家がやることのよさをどれだけ出せるかをテーマにやっていきたい」と意気込み、小堀は「全部実話で、やってもらうのが楽しみです。落語は残るのがいい」と語りました。小堀はこれまでに自身のコントや漫才を落語化し、20作ほどの落語を作ったということです。
吉弥と構成作家の米井敬人のタッグは、大阪・天王寺にある銭湯「湯処あべの橋」を舞台にした噺で、実際に2人で銭湯にも足を運びました。「大枠は事実です。廃業寸前から立ち直った銭湯の歴史も盛り込みたい」と米井。吉弥は「骨組みはできていますが、フィクションを足せるかなと。落語を自分で作るのは難しい。今まで(ハナサクで)2回やったけど、ありがたいです」と語り、長いつきあいの米井とのチームワークで生まれる作品に期待を持たせました。
かい枝は今回、多くの落語台本の受賞歴を持つ演芸作家の石山悦子と組んで、ある学校の吃音の先生を主人公にした物語に挑みます。「しゃべれないけど、しゃべらなあかん仕事に就きたいという思いと、それをどう克服していくか。先生とまわりの子どもも交え、いい噺になるかな」と石山。かい枝は「克服する苦労なども落語という形にして紹介することは意義があると思います」と気合を入れています。
前列左から笑利、かい枝、吉弥、
後列左から小堀裕之、石山悦子、米井敬人
かい枝は「落語の入り口としては、とっつきやすい現代の噺です。1回で終わらせずに後に残したい。(ほかの会などでも)普通にできる噺になれば素晴らしい。今後も続けていきたい」と意欲を語り、実際にこの会で生まれた噺をほかの会でも演じています。冒頭と最後にはトークも行われますので、そちらもお楽しみに!
「ハナサクラクゴvol.3」
10/13(金) 開演=18:30
料金=3500(全席指定) 配信3500
会場=天満天神繁昌亭
出演=〈噺家〉かい枝/吉弥/笑利
〈作家〉小堀裕之/米井敬人/石山悦子
問い合わせ&予約=三栄企画:06-6631-0659