上方落語の次世代の名人を目指す顔ぶれが競演する「上方落語未来の名人会」が9月10日に大阪のサンケイホールブリーゼで開催されます。この会は上方の伝統芸能の発展を目指し、1964年から続けられてきた総合芸術祭「なにわ芸術祭」の名物企画の一つとして開催された「上方落語名人会」の流れを受け継ぐ会です。
今回は四天王の一門に加え、「林家」から四代目林家染丸門下の林家菊丸が出演。五代目桂文枝一門の桂あやめ、三代目桂米朝一門の桂八十八、笑福亭鶴瓶一門の笑福亭鉄瓶、四代目桂福団治一門の桂福丸と共に、個性あふれる落語を披露します。今回、トリをつとめるあやめは、「会場のサンケイホールブリーゼは『上方落語名人会』の会場として、上方落語四天王といった名人が出演されていた憧れの場所。今回は上方落語のさまざまな流派の落語家が集まっているので、お客さまにはその違いを楽しんでほしいです」と語っています。中入り後にはそれぞれの師匠との秘蔵エピソードを語り合う座談会も行われます。
トップの桂福丸は灘中学灘高校、京都大学法学部を卒業。古典落語を軸に、自作の新作落語を演じるほか、最近は桂あやめが作った新作「義理ギリコミュニケーション」も手掛けています。クラシック音楽とのコラボレーションなど幅広く活躍。2021年から始めた小学生のための落語会「子どもだけ寄席」が人気を呼び、全国各地で公演を行っています。
1978年4月29日生まれ。兵庫県神戸市出身。2007年2月に桂福団治に入門。文化庁芸術祭新人賞、花形演芸大賞銀賞(2017年)、第23回新進落語家競演会新人奨励賞(2018年)、大阪文化祭賞奨励賞(2021年)を受賞。
続く笑福亭鉄瓶は勢いとハートのある古典に加え、2021年から実在の人物の人生を自ら取材し、落語化した「ノンフィクション落語」で新境地に挑んでいます。日常のさまざまな出来事を語るスタンダップトーク「鉄瓶トーク」も人気。松竹芸能に所属する落語家5名のユニット「五楽笑人」でも活躍中です。
笑福亭鉄瓶(しょうふくてい・てっぺい)
1978年8月14日生まれ。奈良県香芝市出身。2001年2月に笑福亭鶴瓶に入門。第50回なにわ芸術祭新人賞(2013年)、第71回文化庁芸術祭新人賞(2016年)、第17回繁昌亭大賞奨励賞(2022年)を受賞。
中トリは桂八十八。人間国宝だった師匠・桂米朝の芸を色濃く継ぐ実力派として、抜群の上手さを誇り、2021年に師匠・米朝の俳名「八十八」を襲名しました。
桂八十八(かつら・やそはち)
1964年1月4日生まれ。兵庫県尼崎市出身。1988年10月に桂米朝に入門して「宗助」。2021年8月に「八十八」を二代目として襲名。97年にNHK新人演芸コンクール新人演芸大賞を受賞。
中入り後の座談会のあとは林家菊丸。多彩な演目を手掛ける中でも、女性を演じることに定評がありましたが、昨年は独演会で侍が出てくる噺三席を演じて、最後となった文化庁芸術祭で大賞を受賞しました。
林家菊丸(はやしや・きくまる)
1974年7月16日生まれ。三重県出身。1994年7月に四代目林家染丸に入門して「染弥」。2014年9月に「三代目林家菊丸」を襲名。第41回なにわ芸術祭新人奨励賞(2004年)、大阪文化祭賞奨励賞、第8回繁昌亭大賞奨励賞(2013年)、第10回繁昌亭大賞(2015年)、第77回文化庁芸術祭大賞(2022年)を受賞。
トリは桂あやめ。数少ない女性の落語家のパイオニアの1人で、完成度の高い自作の新作や古典の改作で新たな道を切り拓いてきました。林家染雀との音曲漫才ユニット「姉様キングス」、宝塚歌劇好きの落語家たちと宝塚の演目を上演する「花詩歌タカラヅカ」などでも人気を集めています。
桂あやめ(かつら・あやめ)
1964年2月1日生まれ。兵庫県神戸市出身。1982年6月に五代目桂文枝(当時は三代目桂小文枝)に入門して「花枝」。1994年に師匠の前名「あやめ」を三代目として襲名。「第8回ABC漫才落語新人コンクール」最優秀新人賞(1987年)、「咲くやこの花賞」(1996年)、文化庁芸術祭優秀賞(2002年)、第1回繁昌亭奨励賞(2007年)、神戸市文化奨励賞(2018年)、大阪文化祭賞(2022年)ほかを受賞。
「上方落語未来の名人会」
9/10(日) 開演=14:00
料金=前3500 当4000
会場=サンケイホールブリーゼ(メトロ「西梅田」)
https://www.sankeihallbreeze.com/
出演=福丸/鉄瓶/八十八/中入り/<座談会>/菊丸/あやめ(出演順)
チケットに関するお問い合わせ=
ブリーゼチケットセンター:06-6341-8888