2016年4月29日金曜日

40年プレ企画「雀々らくご道‘39」

1977年に桂枝雀に入門し、現在は東京に拠点を置く桂雀々が
来年、芸能生活40周年を迎えるのを記念して、落語家としての
始まりから今、そして未来を展望するプレ企画の落語会を
大阪の大丸心斎橋劇場で開催する。

雀々 来年は40周年。25年、30年、35年と吉所、吉所に違う
見せ方で落語会をやってきました。2011年に大阪から東京に
本拠地を移して、5年目に入りました。東京では協会に席を置かず、
まったくの無所属でやっています。こっち(大阪)にも仲間が
いますので、大阪でも年に12回は会をと言っていただき、
今回もご縁があって、開催することになりました。

大阪でのプレ企画は3公演。入門した当時を振り返る
「さいしょの一歩」、現在と向き合う「魅力的な面々との出逢い」、
未来に向けた「そして、これからのらくご道」の流れにそって
演じていく。

雀々 28日の「東の旅」は入門した時にうちの師匠から
口うつしで教えてもらいました。入門39年で、原点に戻る、
初心に戻るような感じで、(「東の旅」を)通しでやってみようと。
もう一席の「たぬさい」は14歳の時にラジオから流れてきた
桂きん枝さんの落語を録音して、文字に書き起こして初めて覚えた
ネタなんです。それを中学時代にやって。自分流なんですけど、
結構うけたんですね。「必死のパッチ」にも書いていますけど、
当時、生活はすごく追い込まれた状況だったんですけど。
落語というので落ち着いたのは「たぬさい」がスタートです。





雀々 29日の昼の「代書」は師匠の枝雀が亡くなる3年前に、最後に
稽古をつけていただいた噺です。松本留五郎をどういう風に
表現するか、枝雀が作ったワールドをそのままレールに乗っかって
やらしてもらっている状況で、今、何とか自分なりの松本留五郎を
おもしろくできるようになったんじゃないかなと思います。
もう一席の「くっしゃみ講釈」は内弟子の頃につけてもらった噺です。
2年間の修業中の早くも4席目で!(噺の中に出てくる)講談の
立て弁は、今覚えようと思ったら大変ですけど、10代で集中して
がむしゃらにやったことで、すんなり耳に入って覚えられました。
登場人物の後藤一山と松本留五郎はおもしろい料理の仕方に
なったんじゃないかなと思います。噺家さんの数が多い中で
同じネタをやるんですから突出せんことには、インパクトを
与えなければと思います。




雀々 未来に向けた公演では師匠の持ちネタじゃなかった
「蛸芝居」を。これは亡き桂吉朝さんにつけていただいたネタです。
上手い人でしたね。50歳で亡くなられて残念です。いまだに
芝居噺では一番じゃないでしょうか。もう一席は大作の「らくだ」。
米朝師匠の「らくだ」がお手本となっているんです。うちの師匠も
やりたかったと思うんですが、きっかけがなく他界してしまいました。
師匠がやるんやったらこんな「らくだ」かなと想像しながら
作り上げています。

今回の3公演にはかつて雀々が声をかけて「RG研進会」と銘打ち、
一緒に落語会を行っていたメンバーから笑福亭仁智、笑福亭三喬、
桂梅団治がゲストで登場する。今回出演しないメンバーの
笑福亭鶴二や桂文三も加え、東京で6人の会をやりたいという
思いがあるという。





雀々 60歳からが落語家のスタートだと思います。
人生経験があり、価値観が(年齢とともに)変わっていくことで
自然と落語を語るんじゃなく、落語をそのまま生活しているという。
落語の登場人物でありたいなと思います。夢は大きく、5年後の還暦、
オリンピックの年には東京の武道館で「地獄八景」をやりたいなと
思っています(笑)!

この後、雀々は710日の京都の独演会など定例の会に加え、
1015日に新神戸オリエンタル劇場でプレ企画の昼夜公演を行なう。
来年の6月以降は東西の大きな劇場で記念の会を開催するなど、
1年をかけて40周年記念を祝う会を開催する予定だ。

「桂雀々独演会 雀々らくご道‘39

「雀々らくご道~さいしょの一歩~」
4/28()  開演=18:30
出演=雀々「東の旅(発端~野辺~煮売屋~七度狐)」「たぬさい」/
   ゲスト=三喬


「雀々らくご道~魅力的な面々との出逢い~」
4/29()  開演=13:30
出演=雀々「代書」「くっしゃみ講釈」/優々
   ゲスト=梅団治

「雀々らくご道~そして、これからのらくご道~」
4/29()  開演=17:30
出演=雀々「蛸芝居」「らくだ」/優々
   ゲスト=仁智

会場=大丸心斎橋劇場(地下鉄「心斎橋」)
料金=3600(全指) ※チケットは完売
問い合わせ=オトノワ: 075-252-8266

<次回公演>

「雀々夏まつり2016
7/10()  開演=14:00
会場=京都府立文化芸術会館
料金=3500(全指) 
出演=雀々「動物園」「舟弁慶」「茶漬幽霊」
問い合わせ=オトノワ: 075-252-8266